これを見れば、坂倉が前田智徳の再来であることが改めて分かる＆後半の良い起用法！

まずは私が上げた、坂倉が高卒１年目でデビューした時の
４年前の記事である以下をご覧いただきたい。
「この選手は前田智徳の再来の可能性も～カープ二軍戦レポート＜野手編１＞　」
https://devi-sougou.blog.ss-blog.jp/2017-03-23-3

プロ・アマを通して、全国で初めて私が坂倉のことを 「前田智徳」と称したと同時に、その才能を 絶賛して評価した。
その後は二軍で破格の成績を継続的に
残し、今や一軍で後述するが想定より遅かったものの
ブレイクを果たし、
私の眼の正しさを評価する結果となった。
そして、坂倉を前田智徳の再来と称したことを
プロ野球関係者やジャーナリストまでが、明らかに私の
内容をパクリはじめ（笑）、
トドメに二軍監督時代の阪神の掛布までが、
私より１年遅れで「前田智徳みたいだ」、
と言い始めた。

実をいうと、このサイトでも、
ウケ狙いの記事を除けば、当時はFACEBOOKくらいしか
上げていなかったのに、
一記事で３０００PVを超えたのは、これが初めてだった。
これ以降、このサイトは「ただのカープオタクブログ」
「ウケ狙い」とか言われなくなり、
逆に「本格的なカープやプロ野球の評論サイト」とか、
「知的で今までなかった大局観や戦略でプロ野球を論じるサイト」
「他球団ファンから見ても、見ていて興味持って納得できるサイト」と
いう評価を頂くようになった。

つまり、私にとっては坂倉の才能を誰よりも
いち早く見抜いたことは、このサイトや私にとっても
一つのターニングポイントになったわけであり、
坂倉はいうなればこのサイトや私には、
恩人でもある（笑）

前フリが長くなったが、坂倉の今季を振り返ってみた。

＜守備＞

出場７１試合中
【一塁】２３
【捕手】３３

捕手と一塁併用である。
今季は会澤がケガなどあるが、
石原の台頭もあり、
会澤・石原と三併用されている 感じになっている。
捕手としては３３試合で捕逸（パスボール）２など、 課題はある感じだ。
一塁守備も２３試合４失策だが、
これは急造一塁手であることを考えれば、 致し方ない。
本来一塁にいるはずだった、
クロンや堂林の打撃不振に比べれば、
ずっとましである。

＜打撃＞※OPSは出塁率＋長打率

【試合数】７１（チーム１位の西川が７９）
【打席数】２３５（同・西川が３１９）
【出塁率】３９３
【長打率】４２１
【OPS】８１４（同１位の誠也９５５に次いで２位）
【盗塁】１（成功率５０％）
【三振】２９（打席数に対する三振率１２．３％）
【四球】２７（同・四球率１１．４％）

打撃の指標であるOPS８００越えは中軸打者合格ライン。
もっというと、捕手なら同６００以上、
一塁手なら同７５０以上が一軍レギュラーとしての
最低ノルマなので、何れもクリアしているのは偉い。 打撃に関しては見事である。 捕手の守備負担を考えれば、誠也とも互角に近い 打撃貢献度である。

その原因としては、三振が少ない。これは打撃技術のある証拠
ましてや長距離打者や捕手なら、
２５％くらいまでなら問題ないので、
異常な少なさであることがわかる。
また、四球率も１０％超えたら確実多い方なので、 これもきちんとボールの見極めができている証拠である。
打撃が安定しているだけでなく、
三振が異例に少なく、四球が多いというのは、 前田智徳も過去そうだった。

【対右投手OPS】８０１
【対左投手・同】８４８

左打ちながら、左投手に強い。
逆に右投手はもっと打てると思うのだが。

ストレートの打率は３６７と １７０センチ台の体なのに、前田智徳同様に 力負けしない。
スライダーなどの変化球も、
軒並み打率２５０以上なのだが、
３００以上もないので、
苦手はないが得意というのはないので、
この辺が課題か。
前田智徳も苦手な球種がなかったので、 これもまた同じである。

フォークとカーブが打率２２０～２３０
なので、ここが弱点。
右投手の内角低めと外角真ん中が
打率１割台となっているのは、
おそらくこれが原因だろう。
それでも打率２２０～２３０なら
苦手という感じでも
ないし、何よりこれらの球の
打数が少ないので、
四球が多いことを考えれば、
おそらくボールになる球を
見切る目があるからだろう。

やはりこの打者は前田智徳の 再来に呼ばれるにふさわしいレベル・才能にある。
なお、足も速いので盗塁数も増やしてほしいが、
下記の問題もあり、そこまで手が回らないのが現状か？

この選手の課題は打撃でなく、守備ポジションである。
カープは捕手は多士済々で、
会澤・石原以外にも一軍半レベルで磯村、
さらには１年下の中村奨もいる。
もし早い段階で捕手を諦めて外野に回っていれば、
あと２年早く、今くらいの成績を上げることができただろう。

そこで、今季後半は後半戦まで空いた五輪期間に、
ミニキャンプして外野を練習し、
後半戦は外野で固定してみては？
誠也しかレギュラー確定はいないし、
西川は不振で、調子の上がらないベテラン長野や
中堅の野間を使うくらいなら、坂倉と羽月にチャンスを
与えたほうがいい。

これをみれば、なぜ今季ヤクルトに弱いのか？原因と対策が分かる！

カープは今日こそ中日には勝ったが、
前のカードで対戦した
ヤクルトには２勝８敗と本当に弱い。
今や借金１５を超え、
最下位街道まっしぐらだが、
実は首位を争う阪神・巨人とは
対戦成績は借金１～２の負け越しと
ほぼ互角。
そして、４～５位の中日と横浜には勝ち越しているのだ。

ではなぜ最下位なのかというと、
交流戦とヤクルトに大きく負け越しているからである。

交流戦で最下位になるなど、大幅に負け越して、
借金９も作ったのだが、
ヤクルトには借金６。
つまり、今のカープは交流戦とヤクルトのせいで、 最下位にいるのである。


交流戦は終わってしまったからどうしようもないとして、
ヤクルトはまだ挽回の余地があると思うので、
原因と対策を考えてみたい。
対戦した１２試合で得点３２に対し 失点４６はたしかに、 差はあるものの、それでも もう１～２勝はできたはずである。
原因はどこになるのか？

とりあえず、データを集めてみた

（広島）VS（ヤクルト）

２＜勝利＞８
３２＜得点（相手チームに失点）＞４６
６７０＜OPS（出塁率＋長打率）＞６８２
５（６２％）＜盗塁＆成功率＞７（７０％）
３．０８＜防御率＞２．４２
６７％＜先発QS（６回３失点の確率）＞５８％
１．３８＜WHIP（１回あたりのランナーを出した数）＞１．２９
８＜失策＞４


打撃は共に低いレベルで互角なのだが、
防御率がヤクルトが２点台半ばと破格に良い。
実はカープも同３点台前半だから、
悪いわけではないのだが、
ここが差になっていることは否めない。

まず先発は互角。
２試合以上投げている投手では、
森下は、防御率０点台と完全に
カモにしている。
逆に大瀬良や九里などは、打たれている。
ヤクルトの投手陣は田口、スアレスには
やられているのだが、
あとは攻略できている。



問題は中継ぎ・抑えの差。
今年のヤクルトで、２０登板以上している
中継ぎは７人いるが、
そのうち清水・マクガフ・今野・石山には WHIP０点台（年間ベースでみると、中継ぎ抑え 投手では、チームで１人出るかどうかの高いレベル）と、 お手上げ状態である。
近藤も１．２９と勝ち試合を任せられるくらい優秀。
この５人で２０試合・２０回投げているのだから、 試合終盤の時点で負けていたら、 当然ながら敗北必至。

逆に広島は（先発転向し今日勝利した大道は除き）、
コルニエル・栗林・森浦・高橋樹は、ヤクルト中継ぎ陣と同様に
同０点台と文句なしだが、
塹江が論外の同２点台となっており、 失点の要因につながっている。
特に、内川や川端など、ベテランの代打要員に弱い。
ちなみに塹江が投げた４試合はすべて負けている。

また、守備走塁などの細部でも差がある。
盗塁王争いをしている塩見に２つの他、
山田哲人などにも盗塁を許している。
それに対し、カープは中村悠平の強肩に 刺されまくっている。 また、失策も一塁手に差がある。

そのため、負けた８試合も４試合が ２点差以内だった。

なので、逆に言うと守備走塁を締めれば、 ある程度なんとかなる。
あとは頑張っている投手よりも、打線が打つことだろう。
何しろ、この２年間天敵だった村上・山田哲を
OPS６００台と、一軍半の打者レベルの成績に
抑え込んでいるのである。

西川・菊池がヤクルトの投手陣を苦手にしており、
安部・田中の中堅どころや、
若手の林・羽月もまた同じ。

対策としては難攻不落の中継ぎ抑え陣よりも、 先発陣を攻略し、勝ち逃げすることである。
田口は左投手のくせに左打者に弱く、
スアレスは変化球の被打率が高い。
頑張れば攻略できるので、ぜひやってほしい。

これを見れば、小園・林以外は、若手有望選手がいないのが分かる～今季のカープは これからどうすればよいか？④＜内野手編＞

今日の巨人戦の敗戦を含め、
６月１日から今日までの成績は、
６勝１７敗だった。
自力優勝消滅はともかく、
これをどう考えるかは、みんなそれぞれだと思う。
だが、少なくとも、これを未来につなげてほしいと思うのは、
全てのカープファンの思いだろう。
だからこそ、私もこれに取り組んでいるのである。

今作の最終回で、内野手編である。

まずは二遊間から。
※OPSは打撃の指標で、出塁率＋長打率。遊撃手なら６４０、二塁手なら６８０が一軍レギュラーとしての最低ライン。

菊池（３２）試合数６２　打席２７４　ＯＰＳ７７４　盗塁１　守備率９９６

小園（２１）遊撃守備試合数・４０　同１４４　同７４６　盗塁０　守備率９８０

田中（３２）同・４２　同１３３　同５７１　盗塁１　守備率９６８

菊池はコロナ騒動もあり、ここ最近は調子落としているが、
それでも年間を通したらまだまだ不動の存在。
守備も圧倒的で、もう引退までずっと二塁手で頑張ってもらおう。

小園と田中の遊撃争いは、小園有利になってきた。
打撃だけでなく、守備の成長も素晴らしい。
ただ、田中の実績の他、出塁率や守備も捨てがたいもがあり、
今年は五輪開催の影響で７月中旬で前半終了で、
後半戦は８月中旬からだが、
前半終了までは田中にもある程度はチャンスを与えることをお勧めする。
それでも小園優勢が確定したら、 後半戦は小園一本で行っていいだろう。
そしてこれからの田中は、
小園と菊池の控えの位置づけになるだろう。

守備走塁要員は、上本（３１）・三好（２８）・曽根（２６）がいるが、
三好と曽根は２０代だから良いと思うが、
上本は３０代であり、 これ以上、守備走塁要員に使うのはできれば避けたい（後述）。
しかし、小園・羽月以外の若手の守備走塁型選手の台頭が、
あと１～２年かかりそう。
あと、レギュラーを失った安部（３２）はスーパーサブで起用したい。
守備走塁は上記の３人には劣るが、代わりに打撃は今でも全然上。
３０代の守備走塁要員は、打てなければ存在感が無くなる。
外野も不安あることから、スーパーサブはぜひ１人欲しい。
なので、安部には今季中は色々なポジションを体験させてほしい。



続いて、一・三塁は何といっても、

林（２１）打席数１１４　同９０８

林はものすごい勢いで成長してきており、 ＯＰＳ９００は４番打者合格レベル。今や小園に勝るとも劣らない存在。
このまま最後まで怪我や極度の不振でもない限り、
少し休ませたりはアリでも、当然最後まで行ってほしい。
特に４番候補で三塁を守れることは価値が大きく、
試合終盤では守備固めするにしても、
少々我慢しても三塁で基本は使ってほしい。

クロン（２９）同１３７　同７０１

今は二軍にいるが、一軍・二軍を通してみても、
三振率も高いし、そして四球の数も少なく
（ちなみに去年いたピレラよりひどい水準）、
期待している人が多いが、高い長打率を差し引いても、
私はこの先、大きく盛り返すことはないと思う。
今の成績は一軍半くらいなので、
今後は、その程度にチャンスをやって、 もしそれでブレイクすればよし、 ダメなら今オフ整理対象でよいだろう。

堂林（３０）同１０３　同４３２

メヒア(２８)同４０　同４９１

一・三塁で使いたかったこの２人だが、
堂林は打撃は何も救いのない状態で、 もう今季は二軍から出さなくていいだろう。
救いは課題だった三塁守備は良かったので、
来季は林の控えということになりそうだ。
メヒアは一軍に上がるたびに壁に跳ね返され続けているが、
腐らずに二軍では好成績を残し続けている。
６年契約の契約５年目で後はないが、
クロンが一軍にいない間くらいは、 一塁や（林がアクシデントがあった時は三塁で）、 なんとか使ってほしい。
どうせＣＳ進出も絶望になり、世界中がコロナ渦で
入国者の手続きがめんどくさい今季は、育成枠のドミニカ人を除けば、
もう外人は新たには雇わないだろうから、
クロンと同じくらいのチャンスをやってもいいと思う。

一塁は、捕手兼任でやっている坂倉の他、
このクロンやメヒアのテストや、
前回上げた外野から漏れてくる選手たちの
経験積ませや調整に使うことになるだろう。

外野同様に来季の内野の一軍を予想すると、

二塁：菊池・安部（スーパーサブ）
遊撃：小園・田中・三好（守備走塁要員）・上本
一塁：外人・長野（代打枠）
三塁：林・堂林・メヒア（一塁兼任）

といった感じになるのだろうが、
上記で説明した上本を入れている時点で、
外野同様に１枚足らないのがよくわかる。
やはり、今オフにドラフトかトレードで、
補強したい。