誠也のメジャー挑戦後の後釜はこの選手で！～今季のカープは これからどうすればよいか？③＜捕手・外野編＞

今回は捕手と外野手編である。

＜捕手＞

※OPSは打撃の指標で、出塁率＋長打率

坂倉（２３）試合数２７（捕手以外が１２試合）　打席１７３　ＯＰＳ８１９
会澤（３３）同２５　同１０７　同７０１
石原（２４）同２０　同５５　同５９１

坂倉は、もはや打撃については捕手ながら中軸打者レベルの OPS800越えと、 「（私がプロアマ全てにおいてイチ早く述べた）前田智徳の再来」に、 近づくレベルに来ている。
捕手をしない日でも試合に出ているように、その打撃は
チームから外せない存在。

今年は会澤がケガなどが相次いでいるものの、
こちらも打撃などは捕手としてはかなりの成績
（捕手なら普通は一軍レギュラー捕手なら
同６００を来えればOK）なのだが・・

さらには石原も順調に成長してきて来ており、
他球団なら楽々二番手捕手が保証され、
来季はレギュラー正捕手となる成績と年齢なのだが・・

いずれにしてもこの３人で、 今季後半と来季は捕手は充分。




あとは、礒村（２９）が４番手捕手の位置づけだが、 これも他球団なら二番手捕手でも行ける実力なだけに、 真剣にトレードを考えてもいい。
なお、二軍では育成枠の持丸が捕手で断トツ
最多出場となっており、
来季あたりで支配下昇格も見えてきそうだ。
そうなれば礒村のトレードに出しても、
人員不足は心配なくなる。
そして、中村奨は後述する。

＜外野＞

西川（２７）打席２６３　ＯＰＳ６５８　盗塁１
誠也（２７）同２３５　同８９４　盗塁５

コロナ騒動もあったが、西川の不振が 今年のカープ打線の不振の要因の１つになっている。
今年は五輪開催の影響で７月中旬で前半終了で、
後半戦は８月中旬からだが、
それまでに調子を上げてこないようなら、
後半戦はレギュラーはく奪すべき。
誠也もコロナ騒動のせいか、
最近は打撃が下降しているが、本来は
精神面強いし、守備でも強肩で捕殺６と
走塁共々よくやっているので、ケガとかない限り、
こちらは使い続けたい。ただ、来オフのメジャー行きは、 もう覚悟しておくしかないだろう。

羽月（２１）同１０６　同７０６　盗塁６

松山（３６）同１０２　同７０１　

宇草（２４）同７４　同６５４　盗塁５

長野（３７）同７４　同５７０　盗塁１

野間（２９）同６７　同６４２　盗塁２

中村奨（２２）同５４　同７７５　盗塁３

高卒３年目の若さでブレイクを果たした
羽月は、ここ最近元気なく、二軍に降りたりしているが、
それでも可能な限りは、最後まで一軍で使い続けてほしい。
内野もたまにやっているが、割り切って外野に徹し、
阪神の近本を目標に、頑張ってほしい。
実際にセンターでOPS700なら合格である。
そして何より、菊池の他、 若手の坂倉・小園・羽月のセンターラインは、 ポスト誠也時代のカープの中核となる。

面白いのは中村奨。
元々は捕手だが、前述のように捕手は
もう過剰ともいえる状況なので、
どう見ても外野に来た方がいい。
外野守備はまだ９試合だが、
打撃は以前からの評判のとおり成績出ているし、
盗塁３で成功率も１００％。
元捕手なので強肩も期待でき、
守備を期待上げれば、
ＳＢの柳田のような選手になる
可能性も期待できる。

そして宇草も、打撃はまだまだだが、 やはり我慢して使いたい。
大卒２年目で一軍半なら、
決して悪い出世スピードではない。
少ない試合数で、盗塁５など走塁も
期待できる。

ベテラン・松山と中堅の野間は、
一軍半程度のそれぞれ左の代打と、
守備走塁要員が中心程度に見るべき。
代わりに若手の抜擢を優先である。
そして長野はもう今季は二軍で閉じ込めていいだろう。
年齢的にも、来年以降は代打専念でいい。
ただ、西川や誠也が不振が
続くようなら、彼らにもチャンスを与えるべき。

二軍では、

正髄（２５）打席数１６０　OPS７９８

二軍では前はもっとよく、むしろ今は調子落としているくらい。
にもかかわらず、一軍ではまだ６打席しか与えていないのは、 いくらなんでもチャンスを上げなさすぎ。
大盛（２５）が一軍でも二軍でも中途半端な成績で、 これなら正髄を使っては？

誠也がメジャー挑戦で抜けた来季の一軍は、

左翼：外人・松山・正髄
中堅：羽月・野間・中村奨・大盛
右翼：西川・宇草
といった感じになるのだろうが、
成績を出せていない大盛を入れないといけない時点で、
１枚足らない印象である。 ドラフトかトレードでそれなりの戦力を 補強するしかないだろう。
それについては、またの機会に述べる。

この投手たちの中継ぎ起用が未来につながる？ ～今季のカープは これからどうすればよいか？②＜中継抑え編＞

さて、カープは６月の時点で借金１５。
もはや暗黒時代の中でも底の頃だった
印象に似た感じである。

前回上げた３本柱の九里・大瀬良などが、
ここ最近不振で、チームの先発防御率がさらに悪化。
同防御率は今や４．３０となっている。
しかし、チームQS（先発投手の６回３失点の確率）が、 ５０％は、むしろ良いくらいの水準。
何しろ、２試合中１試合は失策なければ、
６回３失点以内なのだから。
中継ぎが普通に頑張れば、勝ち逃げ出来るはずである。

つまり、実は意外と穴なのは中継ぎの方。
中継ぎの防御率は３．３５と悪くないように見えるが、
実はチームWHIP（１イニングでランナーを出した数）は、 １．４９。 勝ち試合を無事完了できる （つまり中継ぎ陣の力で勝ち逃げ切る）には、 １．４０以内が一つの目安なのだが、 これを割り込んでいる。
他の球団は、横浜の１．５５以外は、
全て１．４０以内なので、
中継ぎ陣の方が実は問題が多いのだ。

とりあえず、登板数の多い投手から。

栗林（２５）２６試合・ＷＨＩＰ０．９０・防御率０．７０

これは誰も文句つける奴はいるまい。
ちなみにWHIH０点台は、各チームを代表する抑え投手ですら、なかなか難しいライン。
ケガや不振に気を付けてもらって、今季最後まで頑張ってもらおう。

塹江（２５）２６試合・同１．６３・同３．０９

コルニエル（２５）２５試合・同１．３１・同２．９４

中田廉（３１）２３試合・同１．６８・同４．７４

森浦（２３）２１試合・同１．４７・同３．７１

２０登板以上（このペースなら年間４０登板以上。
なお大道は先発転向したので除外）の選手を
まとめてみたが、
塹江がここ最近調子を落とし、総合成績も低下しているので、
少し休ませたほうがいい。
立ち直れば、まだ若いだけに最後まで使い経験を積ませたい。
コルニエルはロングリリーフもやってこれなので、
栗林の次くらいにチームに貢献している存在。
中田廉は、二軍でしっかり立て直してからである。
若い森浦は経験積ませも兼ねて、我慢して起用したい。

高橋樹（２４）１７試合・同１．１０・同１．１０

菊池保（３２）１５試合・同１．２９・同１．６５
　
島内（２５）１１試合・同１．２４・同３．２９

１０登板以上の選手（このペースなら年間２０登板以上。
なお大道は先発転向したので除外）をまとめてみたが、
この３人はいずれも有望で、
塹江や中田を休ませて、引き続き起用させたい。
特に若手の高橋と島内も森浦同様に、 我慢して使いたい。

これに、コロナで来日が出遅れた

バード（２８）４試合・同０．７５・同２．２５

も頑張っており、中継ぎローテにいる。
この９人は来季も戦力になるだろうから、
適度に休ませながら、最後まで使うことになる。
もっとも、９人中６人は２０代中盤以下であり、
若手の抜擢は進んでいる。
つまり、現在の中継ぎの低迷は、若手抜擢の代償でもあり、
それなら納得できなくはない。

ただ、年間ベースではこれでは足らない。
あとは６人くらい、各ジャンルから抜擢したい。

二軍を見ると、

中崎（２９）１９試合・防御率３．１８

今村（３０）１７試合・同２．６１

この２人は中堅復活期待枠といったところか。
中崎は一軍に上がってすぐ打たれ、
二軍に降りたが、もう少しチャンスを挙げてほしい。
実際に、二軍の成績も防御率３点台だが、
奪三振多く被四球も少ないので、内容より良い。
慣れたら大崩れしないはずだが。
今村も似た傾向だが、死球がダントツで少ない分、
被安打が多いので、球威に心配がある点が嫌われたか？
今季一軍登板がないが、テストくらいはしてほしい。

フランスア（２８）５試合・同１．８０

スコット（２９）　１５回で防御率０．６０

ネバラスカス（２９）　同１０回で同０．９０

フランスアは二軍で投げれる程度に回復しており、
今の状況なら、来月には一軍に上げられそう。
また、前回上げた二軍の先発なら無双の
スコットとネバラスカスも、どちらかを一軍中継ぎに廻しては？
今年は昨年と外人枠ルールが変わり、
外人枠は５人制で投手は４人まで同時登録できて、
その後も編成を変えられるので、
野手のクロンとメヒアはどちらか１人にして、
残り４枠をコルニエル＋残り３人を入れ替えながら上げることができるのだ。 なので、外人投手も積極的にテストしてほしい。
特にスコットは、一軍では何度も失敗しているだけに、
楽な中継ぎから一軍で使った方が、
結果は出ると思う。

今の３人の内、外人は１人先発行きだから、
実働はあと２人。
ここは若手抜擢だと思うが、
情けないことに、ここでカープは選手がいない。
唯一思ったのが、

藤井黎（２２）４試合・防御率０．００

たかが４試合で一軍に上げるのは無謀である。
ただ、ある程度二軍で成績上げたら、奪三振などは凄いので、
一軍にに上げてもいいだろう。

そしてもう１人、実は意外なベテランで候補がいる。

野村祐（３２）二軍では１６回で防御率１．８０で１７奪三振・四球６

長い間先発ローテ投手であり続けたが、
実は昨年までの３年連続で防御率４点台、
しかも２年連続で１００イニングを割り込んでいる。
今年はさらに悪化しており、もっと言うと、 内容の割に、防御率が６点台と悪化しているのだ （奪三振数や四死球数から見れば、４点台くらいの水準だが）。
元から技巧派投手だが、
もう長いイニングでは明らかに誤魔化せなくなっている。
年齢的にも下降線だし、
それなら中継ぎに転向したら？
二軍では四球はまずまずの割に、
奪三振数など凄いだけに、
一軍でも短いイニングならまだいけるはず。 思い切って中継ぎに転向してはどうか？
その方が選手寿命も延びるはずだ。

この投手たちを起用を～今季のカープはこれからどうすればよいか？＜先発投手編＞

カープは交流戦は最下位で終了、
CS進出も可能性がほぼ消滅ということで、
残り６割近いシーズンを、 これからは若手の抜擢や、中堅・ベテラン・外人の 来季以降への戦力テストに費やすことになる。

では、具体的に誰をどう起用していくのか？
今回は先発投手について、考えてみたい。
特に交流戦の失態は、先発陣によるところが大きい。

まずローテ６枚の内（QSは６回３失点の確率）

森下（２４）　６８回　QS９０％　防御率２．５０
九里（３０）　５９回　同７７％　同３．０５
大瀬良（３０）　４４回　同８５％　同３．０５

この３人は問題ない。コロナ騒動やケガで離脱もあったりしたが、
成績的に見ても、他球団の３本柱より優秀である。
ケガや不振でもない限り、今シーズン最後まで頑張ってもらおう。

床田（２７）　４０回　QS３７％　防御率３．９８
野村（３２）　３２回　同１４％　同６．１２

問題はこの２人。２人とも二軍に降格となっている通り、
中堅・ベテランでこの成績では、苦しい。
床田は被安打が多いだけが原因なので、
まだ中堅前期だし、立て直しできるなら、 今季のローテ候補として、まだ見込んでいいだろう。
野村は投球内容も今季は全てダメ。
よほどのことがない限り、 今季は二軍から出さなくていいだろう。
もしケガとかあるなら、今から手術とか
して来季に備えてほしい。

大道（２３）１８試合２４回WHIH1.09（１回あたりのランナーを出した数）

野村の代わりに、先発ローテに入れのは、
この選手というこになるだろう。
中継ぎの成績は素晴らしく、栗林がいなければ、
新人賞候補にも挙げられていただろう。
先発の４本目も充分に行けると思う。

高橋昴（２３）２８回　QS３３％　防御率５．０２　
玉村（２０）２８回　同４０％　同３．５４

他にお勧めは、もう投げているが、この２人。
貴重な左腕でもあることから、
若手の抜擢として起用を続けてほしい。
玉村は、高卒２年目の若さでここまでの成績も凄いし、 奪三振は優秀。
高橋昴は二軍降格もしたりしているが、
投球内容は実は玉村と同じくらい。 ただ、ピンチの時に打たれやすい傾向があり、 ５点台の防御率になっている。
なので、なるべく一軍帯同させる代わり、 先発だけでなく中継ぎも体験させてほしい。
中継ぎなら、力だけで抑えられる実力があるし、
むしろこの方が成績向上できるはずだ。

これで野村・床田を除いても、
６枚ローテはできるが、
ケガや不振で離脱者が出るので、
床田以外に、あと３人程度見込んでおきたい。
ただ、期待された遠藤の不振をはじめ、
若手には選手がいない。

ただ、中堅前期の選手なら、
二軍では先発で成績を上げている

中村祐（２６）二軍で４１回で防御率１．３１
矢崎（２７）同４５回（二軍ではチーム１位）で、同２．６０

この２人は一軍で先発して失敗し、
すぐに二軍に降格させられたが、
二軍では好成績を出しているので、 もう少し一軍で我慢して使ってほしい。
少なくとも中村は二軍では成績は完ぺきで、
もうやることないように思えるが・・。

あと１枚は外人だろう。

スコット（２９）　二軍で１５回で防御率０．６０
ネバラスカス（２９）　同１０回で同０．９０

２人とも二軍では無双だが、スコットなどは
何度トライしても一軍で成績残せない。
とはいえ、二軍でこれだけの成績で 使わないのはどうなのか？ 少なくともどちらか一人は、一軍でテスト登板すべきだろう。
もし使わない方の選手は、昨年のＤＪジョンソンみたいに、
シーズン中に金銭トレードでも出したらいいと思う。

残り９試合の交流戦はこう戦え～今季のカープはこれからどうすればよいか？①

カープは交流戦でも苦戦が続き、
今や首位の阪神はもちろんのこと、
３位のヤクルトとも６ゲーム差がついた。
まだシーズンの３５％程度しか
消化していないわけだが、
ハッキリ言って３位でのCS進出も 黄色信号から赤信号がともりつつある。

６月に入ってから打線は好調だが、
代わりに投手が不振と
（その前は逆だったわけだが）、
チーム内もチクハグ続き。
おかげで得失点差もリーグ５位と、 本来の実力も順位相応に なりつつある。

なので、今季はそろそろ 一つの見切りをつけ、 来季に向けた動きを行うべきである。
どのみち今の状況でこのまま戦っても、
阪神や巨人を上回れる可能性はないし、
若手や中堅前期が活躍しつつある
ヤクルトや中日に対抗するのも
大変である。
幸い、横浜が弱いので
最下位に陥る可能性も低いから、
佐々岡監督の命も大丈夫である(^^;)

それなら、思い切って来季に向けた 戦略に組み替えるべきである。

手始めに、一軍レギュラー級の成績を
上げている選手、もしくはこれに準ずる成績の選手以外は、
誰でもそのまま起用することを前提に、
残りあと９試合ある交流戦は、 一軍レギュラー未満の成績の選手である選手の中でも、 ベテランや中堅後期などの選手と外国人を 積極起用してほしい。

名前を出すと、野手なら田中広・堂林・長野・メヒア、 投手なら野村・ネバラスカスあたりか？

理由は、外国人やベテラン・中堅後期でレギュラーを確保するには、
交流戦の相手であるパリーグ球団のように、
データや対戦経験が少ない相手でも、
それなりに結果を出す実力を持っていなくてはならない。
つまり、彼らの実力を客観的に観る良いバロメーターなのだ。

だからこそ、ここはテスト期間として、
敢えて若手の抜擢を抑えて、ベテランや中堅後期の選手を
起用してほしい。
もし成績を出せば、引き続き一軍帯同か、
一軍半くらいで使えばよい。
逆にここで結果を出せないなら、 今季は二軍でよほどの成績を上げない限り、 二軍に閉じ込めてしまえばいい。
（ただし、中堅後期や外人選手は、二軍でよい成績を
上げれば、再び２週間程度のテスト期間を
１～２回は上げていい）。

もしベテランの起用で万が一、それでチーム成績自体が大幅に上昇するなら、
それでCS進出をもう一度、本格的に狙うのも手である。

若手や中堅前期の抜擢は、交流戦後でも充分である。
何しろ、交流戦終わってもまだ試合は８０試合以上
（全試合の６０％）も残るのだ。
それからでも遅くない。

だからこそ、ここはあえて
ベテラン重視で行ってほしい。