石原・小窪・松山・長野～黄昏を迎える４選手

カープは開幕２カード勝ち越し、
１カード互角（首位の巨人なので、
これは評価できる）ということで、
開幕ダッシュには成功しつつある。

その中で、今季３５歳以上になる
野手が４人いる。
投手は新旧交代が進み、
３５歳以上の投手は日本人選手では
存在しないが、
野手は石原・小窪・松山・長野がおり、
しかもこの４人はカープ（長野は巨人だが）で、
主力として
一時代築いた選手たちである。

しかし、その４人も選手人生の終盤、 実力的には下り坂を迎える時期である。
いわば黄昏を迎える（ちなみに私、
ドラマと漫画の「黄昏流星群」のファンです。(笑)）。
それぞれの選手の近年及び昨年、
そして今年を挙げてみる。

＜石原・（学年年齢で今季４１歳）＞
昨年終了時点の通算成績・大卒１８年 試合数１６１６・通算１０２２安打・通算ＯＰＳ（出塁率＋長打率）６２３

先日、石原と同期で同い年だった某プロ野球選手と
飲んだが、石原のことを尊敬していると言っていた。
私もそれはよくわかる。
まず捕手で大卒１８年はすごい。
昨年引退した阿部（巨人）が大卒１９年で、
捕手で出場したのが１６６７試合だから、ほぼイーブンである。
阿部と同格の時点で、どれだけ秀逸なのか、想像できよう。
通算ＯＰＳ６２３も主力捕手としては、
充分合格レベルである。
しかし、１６年の１０６試合を最後に、
捕手として大事な試合数も下り坂。
昨年はついに３１試合出場にとどまった。
しかも、打撃の低下はひどく、昨年はＯＰＳ５４４にとどまった。
６７打席で１８三振、三振率２７％は主力捕手としても、
不満である。
四球５なので、まだ制球眼は生残っているが、
そろそろ厳しくなってきている。

今季はまだ一軍・二軍ともまだ出場がない。

＜小窪・同３５歳＞

通算７０２試合・３８４安打・通算ＯＰＳ６７８・盗塁７ 遊撃出場試合数１１９試合・守備率９７０ 二塁同７３試合・同９７２ 三塁同２８８試合・同９５８

カープにおいて、ずっとスーパーサブを 務めてきた選手である。
その証拠に、大卒１２年で３８４安打は明らかに少ないが、
通算ＯＰＳは主力級二塁手と比べても、
差がない。
また、守備率も主力級と比べても悪くない。
しかし、盗塁数を見ればわかるように、
足がないのはレギュラー獲得には大きな足かせになった。
打撃・守備も悪くないが、特に良いわけではない。
この中途半端さが、この選手の大成を阻害した。
ちなみにレギュラーの条件である 年間１００試合出場は一度もない。

昨年は久しぶりに５１試合出場と少し巻き返したが、
OPS605とイマイチで、１２５打席で１０四球は少ない。 足がない上に長打率は厳しいので、 出塁できないと、まずレギュラーはないのだが。

今年はまだ一軍・二軍とも、まだ全開でない。

＜松山・今季３５歳＞

通算８７８試合・通算７００安打・通算ＯＰＳ７７１

小窪と同じドラフトで入団で同学年。つまり小窪と同じ大卒で実働１２年。
松山と小窪を比較すると、
小窪は入団時点でも、それなりの評価を受けていたが、
松山は全然期待していなかった。
しかし、入団後の評価は逆転するのだからわからないものである。

小窪とは真逆でこの７年で６回、主力の証である１００試合以上の出場達成。
（その１回も９０試合だから悪くない）。
その７年間でも、中軸打者レベルであるＯＰＳ８００越えを
４回達成しているのだから、典型的な大器晩成だったといえる。

しかし、昨年は近年ワーストのＯＰＳ７０１
（守備走塁に優位のない外野手としては、
レギュラーとしては厳しくなり始める数値）と、
陰りが見え始めた。

もっとも、今年は打席数は少ないが、 まずまずのスタートを切った。

＜長野・今季３６歳＞

大卒社会人だが、社会人を３年経ているので実働は１０年。 通算試合１２８１・通算１３１６安打・通算ＯＰＳ７７１・通算９３盗塁

ヒーローの一言である。
実働１０年の平均安打が１３０試合・１３０安打・
9盗塁はすごい。
実際に、以前にやったドラフトの企画で、
この１０年で大卒社会人で唯一の
「超成功選手」入りしたのが、長野だった
（それより１ランク落ちる大成功選手は、
大卒社会人では中日の大島、広島の田中などがいる）。

丸がＦＡ宣言した時、人的保証で
長野を一番手に予想した人は、日本中探しても、
１０人いないだろう。

しかし、カープの水が合わないというより、
こんな大物ベテランが放出＆カープ入りという
衝撃で目立った悪影響なのか？
昨年は初めて出場試合数１００試合を割り、 安打４５、ＯＰＳ６９３、盗塁０とワースト。 一軍半レベルの成績に転落した。
最多安打王や首位打者を取った頃の風格や、
カープを苦しめていた巨人時代の圧巻ぶりは
消え去った。

しかし、今年は開幕から代打で成績を残している。
もしピレラや高橋大樹あたりが、不振に陥るのなら、
もう一度レギュラーのチャンスを与えてほしい。

今年のこの４人に、このサイトは
注目していくことにする。