遠藤淳志～この点を詰めれば、伊藤智仁（元ヤクルトの伝説の投手）へ進化できる。

さて、カープは首位の巨人に３タテを
喰らわし、三連覇の頃の強さを見せつけた。
最初の２試合の猛打もよかったと思うが、
個人的には３戦目の接戦をモノにしたのがよかった。

その立役者は、高卒3年目の若手の遠藤。
昨年からの活躍があるとはいえ、佐々岡監督の
抜擢を受け先発で起用されている。
開幕直後は打たれたが、ここ最近は立ち直り、
8月の防御率は今日の時点で27イニング投げて、 なんと1点台。総合でも3点台半ばまで良化してきた。
カープの投手陣が８月以降は復調気味なのも、
遠藤の貢献がその一役を担っている。

もともと、ドラフト時からも5位だったが、
3～4位で消えてもおかしくないレベルだった。
ちなみに、霞ケ浦高校の後輩の鈴木寛も
まさかの3位指名（私は外れ1位で消えると思っていた）
最近の霞ケ浦高らしい長身の投手体型で、
クセのないフォームから、良い速球や変化球を持ち、
そして基本も高校生としてはできている、
というパターンに乗っている
（個人的には、霞ケ浦高の監督やスタッフは、
投手の見る目や育成に関しては天才だと思う。
毎年カープが同校の投手を指名しても、後悔しないだろう）。

それはさておき、高卒3年目の投手が一軍ローテに入り、
ここまでやれること自体がすごい。
佐々岡監督が「腕のしなりが良い。俺たちの世代で言えば
伊藤智仁（元ヤクルトの伝説の投手）くらいに見えた」と、
二軍監督時代に言っているが、体型も似ているし、
遠藤のストレートやスライダーを見れば、
決してそれが嘘でないことが分かる。

（以下の成績は8月23日時点）
＜投球イニング＞50
＜防御率＞３．42
＜奪三振＞46
＜被安打＞43
＜四死球＞２4
＜QS＞45％
＜被打率＞右打者２２４・左打者２４３

まず、右投手ながら、左打者相手に強い。
先発投手としては充分合格レベルにある。
そしてこの投手の凄いのは、
先発投手ながら、三振の多い点である。
森下が異常に奪三振が多いので目立たないが、
イニング数の９０％前後に占める三振数は、
充分すごい。
伊藤智仁になれる可能性もある投手なだけのことはある。
代わりに四死球が多い。投球イニングの半分弱は 要修正である。

投球スタイルは、ストレートが6割弱、あとはチェンジアップが2割、
カーブとスライダーが1割を占める。
ストレートの被打率は２１１と優秀で、チェンジアップが被打率２８０と少し打たれているが、 他の変化球もすべて２５０を切るなど、 確かに優秀。ただ、ストレートを投げて四球を出すことが多いので、その辺が要修正か。
ただ、それも８月以降は良化している。

もうすでに、2歳上の森下と並び、大瀬良・野村とローテを守る存在である。
この調子でいけば、来期（１４３試合制に戻ることが前提だが）は２ケタはおろか、 １５勝もあるだろう。
そして伊藤智仁のような、先発で年間防御率０点台を記録するような夢も、
達成できるかもしれない。