これを見れば、３軍制の導入の必要資金とその確保が可能なことが分かる～３軍制を考える＜後編＞

カープの三軍制導入について述べる。
少し時間が空いたので、まずは
前編を再度ご覧いただきたい。

「これを見れば、３軍制の導入の必要性と、
新本拠地など条件が難しくないのが分かる
～３軍制を考える＜前編＞」
（下記ＵＲＬからどうぞ）
https://devi-sougou.blog.ss-blog.jp/2020-10-10-1

３軍制導入にあたり、
人やモノはあまり問題でないのが述べたが、
最大の問題は資金であろう。
今回は必要金額の試算と、
必要資金の入手方法を考えてみる。

まず、選手を増やす必要がある。
ソフトバンクが９０名弱の選手を持っているが、
怪我人なども出るので、１軍・２軍・３軍とも、
それぞれ３０人弱の選手が必要なる。
カープは育成選手を足すと７０名程度なので、
あと１５～２０人は育成枠で指名する必要がある。
ただ、１人あたりの年俸は２４０～３００万なので、 それだけ増やしでも、年間増加は５０００万くらいで済む。

問題はむしろ選手の維持管理費。
これは２軍の選手でも
１人当たり１０００万くらいはかかるが、
３軍なら施設共用や移動をバスなど多用すれば、
７割ぐらいでもできるだろう。
年間で１.２億～１．３億くらいの増加だと思う。

あとは、前回提案した施設借りる費用やコーチを増やすなどは、
二軍で共有できるモノもあるので、人やモノの出費が５０００万増くらいで済む。
これで予備金でさらに２５００万くらい用意すると・・

合計で２億５０００万円ほどの年間出費である。
カープの選手の年俸総額が２５億なので、その１０％に匹敵。
もし選手だと、菊池・誠也の次の年俸になる(笑)。

ソフトバンクが３軍制を始めた１１年以降に
その恩恵を受けたと思われるこの１０年に指名された育成枠でも、
千賀・甲斐を筆頭に、牧原・釜元・亀澤・飯田・
石川（ちなみにソフトバンク育成枠の同期現在広島の曽根）・周東・大竹と、
ほぼ毎年人材が出ていることを考えれば、高くないと私は思う。

ではその資金はどうするか？カープの場合は、元からＦＡ選手を
採らないなど貧乏球団なのだ。

答えは、外国人選手予算のリストラである。
今年は５．８億、昨年が６．８億、一昨年が７．３億も 使っていた。
もっとも、これは犯人はジョンソンが３．５億も取っているのが原因。
また３連覇したので、その結果として外人年俸が
吊り上がってしまったことも上げられる。

幸い、今年でジョンソンを含め、ドミニカ勢以外の
外人はスコット以外は全員解雇になった。
なので、これを機会に、外国人総年俸は基本は３億を限界にする。 優勝したり、ジョンソン＆エルドレッドのような 複数の貢献選手がでてきたら、特別に４億にすればいい
（ただ、再来年はそうなると思うが、主力選手の流失が相次ぐ代わり、
ＦＡ代償などの資金獲得が見込める時は５億まで認める）。

そうすれば、年間２億以上リストラは可能で、
その資金は３軍に廻せるのだ。

ドミニカ勢以外は原則としてて複数年契約を認めなければ、
できるはずである。
もしそれ以上の外国人選手年俸が上がるなら、 割り切って、リストラすればいい。

それで戦えるのか？と思われるが、
代わりに育成枠から選手がブレイクすれば、穴埋めできる。
フランスアとバティスタ等見れば、
近年のドミニカ勢も選手輩出レベルが上がって来ているので、
大丈夫だと思う。

これを見れば、３軍制の導入の必要性と、新本拠地など条件が難しくないのが分かる～３軍制を考える＜前編＞

巨人の圧勝でセリーグ２連覇当確、
さらにはソフトバンクの数年連続の上位定着と、
この金満２球団の躍進がすごい。
ただ、これらの球団は育成枠からも選手を 輩出している。
特にソフトバンクの育成上がりで、
千賀は球界を代表するエースだし、
甲斐はその強肩を生かして、球界に名が知れ渡る捕手である。

この２球団の特徴は、３軍制を強いていることである。
カープも一応３軍があるが、カープの場合は
ケガした選手のリハビリセンターでしかないのに対し、
この２球団は本格的な育成と実戦を積ます場所となっている。
つまり最初から目的や環境も全然違う。

育成枠制度も始まって１５年経たが、
この２球団が成功し、逆に育成力に自信があり この制度をうまく活かせそうであるカープが負けているのは、 これが理由である。

１軍は２８人程度しか入れないので、２軍は４０人かそれ以上の選手が
在籍するのだが、これでは選手がダブく。
１試合あたりせいぜい２０人少々しか出るチャンスのない
２軍戦だけでは、実戦を積ますことが不足してしまう。

それではいくら育成枠で、「育成・実戦積ませれば支配下の選手と負けない」選手を
とっても、ブレイクさせることができなくなる。
もっと言えば、本指名でも下位指名の高校生たちは似たような事情である。

そこで、本格的な３軍があればそれが補完できる。
巨人とソフトバンクの影響を受けて、
西武とオリックスも３軍制を導入を決めた。
特にオリックスのファームは私は生で見たが、
大阪の舞洲や神戸に良い施設を持っているだけに、
対戦相手となる社会人や大学チームの多い関西の環境を考えれば、
かなり面白いと思っている。

カープの場合も、２軍ではウエスタンの予定があると
組みづらい社会人との交流試合を増やせるほか、
２軍ではできないお隣の四国独立リーグとの対戦や、
ソフトバンク・オリックスの３軍との対決というのも可能である。
また、ドミニカのカープアカデミーに逆派遣？するということもできる。

まず、指導者や練習施設や選手の宿泊所、道具等などの、 人・モノなどの経営資源に関しては、 今の広島県廿日市市大野にある、 カープの練習場の２軍の施設と共有できる。
人数が増える分も予算的は増えると思うが、それほど問題とは思えない。
遠征用のバスと運転手の確保が大変なくらいか。
四国や九州・近畿へ遠征すると、バスで長距離移動が多いが、
その程度は３軍レベルの選手なら我慢してもらおう。

そして本拠地は、同じ廿日市市にある 佐伯総合スポーツ公園野球場がよいだろう。
２軍の公式戦もやったことあるし、
大野練習場から車で３０分でいけるし、
広島市内からも車で１時間あればいけるので、
カープも他チームや社会人も、移動が楽。
野球場以外のスポーツ施設もセットになっている場所なので、
試合前練習も、それ以外のトレーニングも充分できる。
年間契約で廿日市市から借りれば、
好きに使えるし、
財政が苦しい廿日市市も助かるだろう。

では次回、最大の課題である資金について述べる。