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政策秘書受講日記・第1話 「政策秘書とは何か?」 [政治・経済・社会]

現在、私は東京の永田町にある議員会館で、政策秘書の資格を取得するため、
その研修を受けている。
今回、ある人から非常に面白いという評価をいただいたのと、
すごく希少性のあることなので、
ぜひブログなどに残した方がよいというアドバイスをいただいた。
よって、今回ここに記する事とした。


<Ⅰ>まず、政策秘書とは何か?

国会議員の政策立案能力向上のために用意された秘書である。
そのため、秘書になる人物も「政策秘書」の資格を取得する必要がある
(他の秘書はすべて議員の自由採用であり資格は不要)
採用された場合、身分上は国家公務員であり、初任給は月給40万円を超えるなど、
その地位や責任は重い・・のであるが、これについては後述する。

取得する方法は以下である。
①「政策秘書」の資格を受験する。
②司法試験・公認会計士試験・国家Ⅰ種合格者・博士号取得者
③組織・団体で10年以上勤務して明らかな功績がある人物(要研修)
公設秘書5年以上で社会人経験が10年以上で 現職国会議員の推薦がある人物(要研修)

私は今回、④のやり方で取得することになった。
①が一番代表的な方法であるが、行政の試験の中では
国家Ⅰ種に次ぐ難関で、実際に平均合格年齢は30歳で
合格率は7%台と難しすぎる。
そのため、代表的な取得方法にもかかわらず、
この方法でこの資格を取得する人は実質は1割少々程度である。
②はこれに合格するぐらいの実力者なら、政策秘書になるよりも、
その道を極めた方が、社会的にも収入的にもいいだろう。
政治にかかわりたければ、選挙に出て議員になった方がいい
③もこの功績というのも、著書を出すか相当な地位にいなければならないので、 ②と同じである。私の知り合いにもこの方法で取得した人がいるが、
研修も受けなければならず、結構大変のようである。

つまり④が一番多く、過去の取得者の6割近くはこの方法で取得している
しかし、これも意外と難しいのだ。
何より引っかかるのが、「公設秘書暦5年」である。

私は政党名は秘密にさせていただくが、
現在野党である政党の議員秘書をやっていた。
野党の場合は、如何せん選挙に弱いため、議員自体が当選を続けることが難しい。 もし、議員が落選にしたら、秘書も失職する
そのため、公設秘書5年の経験が積めない事が、多々ある。
実際に私もそれで職を失ったが、その前に公設秘書5年は満たしていた。

逆に与党の場合、特に自民党などは、選挙は安定している。
だが、逆に献金などのおかげで秘書が沢山雇える。
そのため、秘書が増えるので公設秘書=事務所の中心・重鎮となりやすく、 政策秘書以外は2枠しかない公設秘書に、若手中堅がなるのは難しくなる。
大物議員の事務所になるほど、この傾向は強い。
また、他にもやる気のある人や、政治の才覚のある人は、
秘書を数年務めた時点で、地方選挙等に出されて、 議員になることが多く
その事も結果として政策秘書になる人を減らしている。

結果的に、こういったすべての事情のため
この資格ができて20年少々経たが、
まだ2500人程度しか取得してない。
国会議員の数が720人程度だから、
その3.5倍程度である。
さらに65歳以上は実質的に資格停止となる上、
議員が落選したら失職になる危険性や(これについても後述)
本人が議員となったりした場合は何の意味もない資格なので、
実際には、屈指の取得難易度の資格なのに、 取得者は少ないのが現状だ

次回は、政策秘書の実態などに触れ、
その次ぐらいから、今回の研修について述べることにする。










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コメント 4

辻元清治

デビさんは護憲派ですよね?
集団的自衛権認めたら日本は戦争しちゃうよ~



by 辻元清治 (2015-08-24 22:25) 

高井章博

はじめまして。某衆議院議員(野党系)の政策担当秘書を務めております。
政策担当秘書資格の取得方法についてですが、「③組織・団体で10年以上勤務して明らかな功績がある人物」については、研修は必要なく、経歴及び著書の審査と口述審査のみで認定されます。私は、地方公務員(市議会議員)勤続10年以上+地方自治に関する著書2冊ということで、この枠で認定されました。
by 高井章博 (2015-08-25 04:54) 

DEVI

高井さんへ。

そうなんですか?私の知人は、研修を受けたと言ってましたけど・・。

by DEVI (2015-08-26 21:33) 

高井章博

そうなんですよ。
研修制度は、秘書や政党職員、労組職員を長く務めた人を登用する際に、試験や業績を免除するために作られたと聞いています。
by 高井章博 (2015-08-28 01:32) 

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